地鶏とはなにか、そして銘柄鶏との違いを解説します。
名古屋コーチンとか比内地鶏とか 名前は良く聞きますが、一体どんな鶏のことなのか まとめてみました。
地鶏とは
地鶏とはすなわち 明治時代より古くから日本に住んでいた鶏のことです。
これを在来種といいますが、最低50%は在来種の血を受け継いでいることが条件です。

現在47種類の地鶏がいるけど
出荷数は 全体のたった1%だね
また ふ化してから75日以上の飼育、1㎡あたり10羽以下で育てることが条件です。
JASが規格を管轄

- 在来種の血を50%以上受け継いでいる
- 75日以上飼育する
- 1㎡あたり10羽以下で育てる
これらの条件を満たしている鶏を “地鶏” として販売することができます。
基準については日本農林規格(JAS)が管轄していますが、3つの条件すべてが満たされていない場合は 地鶏と謳うことは出来ません。

たとえば在来種だけど
60日で出荷しちゃったりしたら
ダメなわけだ

それを地鶏って言って売ったら
法律違反になるね
在来種100%の地鶏

在来種の血が50%あれば
地鶏と謳えるのなら
半分は成長の早い品種を
掛け合わせよう!
利益の為にそう考えるのは普通なことです。同じ地鶏ですから、在来種100%にこだわる必要もありません。
というのも在来種は、ブロイラー(食用鶏)と比べて 成長が遅く身も小さいのです。ブロイラーは短期間で大きくなる種ですので、50日ほとで出荷できます。それに対し100%在来種は、出荷に150日以上もかかります。それだけ時間をかけても、ブロイラーより身が小さかったりします。
時間をかければ うま味が凝縮されて 身の締まりも良くなるのは確かです。ですが、その代わりに大変な手間とエサ代がかかります。
それなら地鶏とブロイラーをかけ合わせようとなるのは当然ですね。
現在 100%在来種の地鶏は、名古屋コーチンと比内鶏のみです。

まぁでも比内鶏は
天然記念物だから食べられないよ

比内地鶏ってやつは
ブロイラーとのハーフだから
食べられるんだね
エサの表示義務は無い
後ほど説明しますが、銘柄鶏はエサについては表示義務があります。ですが地鶏については不要です。
つまり なにを食べているか表示をしてもいいですが、表示しなくてもいいのです。
それから “1㎡あたり10羽以下で育てる” という条件も 満たしてさえいれば、屋外で育てようが家のリビングで育てようがオーケーということになります。
これらは 養鶏場それぞれの方針次第なので、実際に行って見てみないとわからないのが現状です。
銘柄鶏とは
地鶏に対して銘柄鶏は、在来種の血が49%~0%でも大丈夫です。
つまり血統に関してはブロイラーとなんら変わりません。

ブロイラーとの違いは、特殊なエサを食べていたり、平飼いだったり、飼育期間を長くとっていたり。育て方を工夫している事です。付加価値をつけた鶏のことを 銘柄鶏と言います。
ブロイラーより丁寧に育てられていますが、地鶏と違い 明確な定義はありません。
管轄は日本食鳥協会
銘柄鶏として認められるには、一般社団法人の日本食鳥協会に認定される必要があります。
流通の半分くらいは銘柄鶏で、現在150以上が登録されています。
その他 地鶏との違いといえば、エサと飼育期間の表示が義務付けられていることです。
エサの表示が義務
銘柄鶏は エサの表示が義務付けられています。

ただ エサの種類に指定は無く、生産者によって工夫が施されています。
日本食鳥協会のHPを見ると、NO GMO飼料(非遺伝子組み換え)や、添加物を含まない飼料を食べている銘柄鶏もいます。中には 米やオリーブを食べている鶏もいます。

なら安心だ
食べたものが肉になるからね

まぁ五分五分かな
こだわったエサもありますが、中には飼料覧に専用設計飼料や、自家醗酵飼料、ブロイラー用飼料と書かれている鶏もいます。

謎のご飯を食べてる
銘柄鶏もいるわけだ

まぁ150種類もいるから
気長に探そうよ
良い鶏とは
“わたしたちの体は食べたもので出来ている”
この単純な法則にのっとって、やはりどんなエサを食べているかどうかが重要です。
農薬まみれのトウモロコシに肉骨粉。そんなエサを食べていて体にいいわけがありません。
地鶏は銘柄鶏は、大切に育てられてたしかに美味しいです。ですが、なにを食べさせられているかは養鶏場によりますので、そのあたりは調査が必要です。


まとめ
地鶏に銘柄鶏。
一見すごそうですが ブランドにとらわれず しっかりと調べた上で、ありがたく鶏をいただきましょう。まとめです。

- 鶏は飼育期間が長いと うま味が増す
- 地鶏の大半は ブロイラーとの掛け合わせ
- どんなエサを与えても良い
- ブロイラーと銘柄鶏は 血統的にはほぼ同じ
- 銘柄鶏は飼育期間が長い場合が多い